2005/12/07水曜 「魔法少女誕生」
今回の日記は以下のキーワードが含まれますので、そういうのが嫌な方は読み飛ばしてください。
・アニメ
・エロゲー(アダルトゲーム・美少女ゲーム・18禁ゲーム)
・魔法少女・魔女っ娘
・萌え
・業界
以下、元業界人のたわごと。
登場する人名・作品名は伏せますが、解る人には解るかと思います。
1995年くらいのこと、私はまだゲーム業界に片足が残っていました。
東京の友人を通して知り合ったアニメスタジオの代表Y氏がゲームブランドを立ち上げるということで声がかかりました。
デビュー作は当時流行していた美少女格闘ものということで、まだWindows時代以前でその頃主流だったNECのPC98シリーズ用として開発することになりました。
打ち合わせは東京杉並のファミリーレストラン「ジョナサン」で数回に渡り、私はその都度茨城から足を運びました。
業界の濃い人たちが集まる会合でもあるので雑談&脱線もしばしば。
次回以降にぜひ魔女っ娘もののアドベンチャーゲームやりましょう〜と私が言い出しで、相棒には小動物が必要とか、友達が操られてライバルキャラに変身して魔法バトルがあったり、などの「お約束」な話題で盛り上がったり。
当時、マンガを原作にする「赤ずきんチャチャ」がアニメ化するにあたって、その頃流行していた「セーラームーン」を意識してなのか原作からかけ離れて変身魔法少女ものにされていた(たぶんスポンサーの意向)のを、何で変身するんだろーねと皮肉ったりもしました。
(主人公の小さな女の子がアダルトチェンジな変身して魔物と戦うものだったけど、後半は路線変更で変身は無くなりましたが。)
そんな会話の中でY氏がファミレス常備の紙に落書きした主人公の女の子のイラストは、さすが業界で活躍してた人物だなーと関心させられたのをよく覚えています。
残念ながらブランド立ち上げのプロジェクトはなかなか実現せず、私はY氏に迷惑かけた挙句に身を引くことになり、それっきり氏と会うこともなくなりました。
そして数年後の1999年、Y氏のゲームブランド(アダルトゲームソフトメーカーT)が誕生しました。デビュー作は何と魔法少女もののアドベンチャーゲームでWindows用でした。
ヒロインは高校生だけど容姿が小学生、家は親が経営するファミリーレストラン。
魔法の国からやってきた小動物から魔法の力を受けて魔法戦士に変身。その変身後の姿は自分の願望であるナイスバディ(死後)なウエイトレス風コスチュームな魔法戦士なんです。
ゲームの主人公はお供の小動物(♂)のほうで、人間に変身すると男なのでヒロインを初めとする女性陣と魔力の浄化と称してxxxしたり・・・あくまでアダルトゲームなわけです。
ヒロインが小学生容姿だけど高校生って設定はアダルト業界の規制をパスするためなんでしょうね。そのヒロインの帽子の形は、かつてYさんがファミレスの紙に書いていたそのものだったのです。
アダルトチェンジな変身するところにも意味があるし、小動物とかライバルの設定とか当時ファミレスで話したものを始め、謎のクールな転校生とか新たな「お約束」が含まれていてニヤリとさせられました。
ゲームのほうは友人から借りてプレイしてみたけど、当時のPCスペックとかバグの問題もあって序盤で力尽きました(苦笑)。
そのアダルトゲームは、2005年になって一般向けとしてアニメ化されAT−Xで放送、その全13話を見る機会がありました。都内某所のファミレスで生まれた魔法少女は、アニメとしてついに広く公開されたのです。
キャラクターデザインは「ソウルテイカー」の人、製作会社は天地無用などで有名なAICで、私好みのクオリティー?でした。
でも残念ながらマニア層でこの作品の評判は良くないようで。あまりにも当たり障り無い出来が災いして、アダルトゲームだったこの作品を知っている人とか、萌えに期待する人は不満なんでしょう。
(3話で秋葉原とかコスプレネタこそ出てますけど。)
でも各所に散りばめられた「お約束」は健在でした。既に作品はYさんの手を離れているんだろうけど、「お約束」から始まったこの作品は、ずっとそれを忘れないでいてくれたみたいです。
そんな作品の誕生に若干ながら関わったという嬉しさ、リクエストしたものが10年かかって見ることができたような心境なんです。
最近の萌え&コスプレブームで再注目されてか、アダルトゲームのほうも作り直して再発売されたようです。ある意味、早すぎた作品だったんでしょうね。
これから更に活躍しそうなYさん、1ファンとして今後も活動を応援しようと思っています。
戻る